学級を最高のチームにする!学級経営365日の教科書
14面記事赤坂 真二・岡田 広示 編著
「学びの土俵」づくりを具体的に
「はじめに」の中で編著者の赤坂氏は、読者を挑発する。
<「よい授業をすればよい学級ができる」それは確かに真実だろうと思いますが、学級崩壊が起こって以降は、普遍の原則ではなくなりました>
それでは教師はどうしたらいいのか。続いて赤坂氏は書く。
<教師は、高い授業力と共に、子どもたちが学びの土俵にのる学級をつくる力も求められるようになったのです>
この「学びの土俵」というキーワードに注目したい。
この土俵づくりを自覚して取り組まないで、いくら指導案を書いて研究授業をしても成果は知れている。このことに、まずは学校長が気付かなければなるまい。
また、教員養成の大学では、一刻も早く学級経営を必修科目にするように認定していただきたい。
本書では「学級づくり」「授業づくり」「保護者・地域コミュニケーション」の三つの観点から具体的な仕事術が分かりやすく書かれている。
例えば朝の最初の教室での子どもの迎え方で、黒板に「おはようメッセージ」を書いて担任の思いを子どもに示す、近藤佳織氏の実践は出色である。これを続ければ「学びの土俵」はできるに違いない。特に若い教師に、この本を薦めたい。
(2200円 明治図書出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)