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携帯電話の学校持ち込み、子ども・保護者交え議論を

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文部科学省

文科省が通知へ

 学校への携帯電話の持ち込みについて検討する文科省の有識者会議は13日、会合の最終回を開き、昨年5月から10回にわたって続けてきた議論を取りまとめた。同会議が示した審議まとめでは、各地域の実態に応じて取り扱いを適切に定めるよう求める中、児童・生徒や保護者を議論に参加させることの重要性を明記した。今回のまとめを踏まえ、文科省は今月中に全国の教委などへ通知する。
 審議まとめでは、教委や学校だけにとどまらず、児童・生徒や保護者も含めて地域全体で話し合うことで、それぞれが「ルールを自分たちのものとしてとらえ、自主的に守っていこうとする素地が醸成されていく」と言及した。
 一定の条件の下で「持ち込みを認めることが妥当」とした中学校については、「携帯電話を登下校時の緊急時の連絡手段として活用したいといった保護者の要望があることなどを理由に」と、教委や学校が持ち込みを認める場合の前提を新たに追加した。
 小学校では2009(平成21)年の通知に引き続き原則禁止としつつ、「例外的に認めることも考えられる」とあらためて示した。具体的には、遠距離通学や公共機関を利用した通学をはじめ、携帯電話を緊急時の連絡手段とせざるを得ない場合を想定し、保護者が校長に申請するなどの対応を求める。
 会合では委員から「ルールは一度決めて終わりではなく、定期的に見直すことが必要だ。中学校では次の生徒会に引き継いで話し合うなど考えられるのではないか」との意見が上がった。
 逝去した森田洋司・大阪市立大学名誉教授に代わり、本年度から座長を務めてきた竹内和雄・兵庫県立大学准教授は「子どもや保護者、地域社会全体で議論を促すこと、ルールを自分ごととして捉えることを示せたのは、今回の議論の成果といえる」と話した。

文部科学省

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