テレビ電話通訳サービス、本格的に利用開始 福岡市教委
2面記事 外国につながる子どもやその保護者への対応に役立てようと、福岡市教委は本年度から、民間企業が提供するテレビ電話通訳サービスを導入した。タブレット端末を活用し、通訳オペレーターが画面越しにリアルタイムで会話を通訳するもので、同市立学校で新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休業が明けてから本格的に利用を開始した。
同市教委が市立小・中学校と特別支援学校221校を対象に導入したのは、ポリグロットリンク(東京・台東区)の「テレビde通訳」。
英語や中国語、韓国語、スペイン語など市教委が指定する10カ国の言語に加え、ヒンディー語やインドネシア語、フランス語を含めた全13カ国の言語に対応している。同社によると、日本で暮らしている在留外国人が使用する言語の約96%をカバーできる。
各校では、校内での外国につながる子どもとのやりとりや保護者との面談時、家庭訪問時などに同サービスを使用する。タブレット端末は同社が貸し出し、対応可能な時間帯は原則として午前10時から午後6時までとする。
同市内では在留外国人が増加して国籍の多様化が進む中、日本語での会話が困難な保護者と教員のコミュニケーションが課題になっていたという。オンラインでの遠隔による通訳には電話を使うものもあるが、市教委は面談時などの込み入った会話も想定し、対面型の同サービスを選択した。市教委の担当者は「学校現場で困っているときに積極的に使ってもらいたい」と話す。