問題演習など授業外で 学習内容の重点化巡り文科省が通知
1面記事文科省は5日、臨時休業が長期化した学校で、授業で行うことが望ましい学習内容と、家庭など授業以外の場でも行える学習内容の分け方に関する考え方を通知した。併せて、教科書発行者の協力を得て、出版社別に、より具体的な分類とそれぞれに要する時間数を公表している。授業以外の場でも行えるとした学習内容は家庭学習をはじめ、放課後に学習指導員の下で学ぶことなどを想定している。
まずは、小学校6年生と中学校3年生について示した。今後、他の学年に拡大させていく。同日の別の通知では、児童・生徒が新型コロナウイルスに感染した場合の対応や、本年度の年間計画の例を伝えている。
学習内容に関する通知のうち、小6の算数であれば、「授業以外の場で取り扱う学習内容としては、教科書の問題演習や、学習した内容について自分の考えをまとめる活動などが考えられる」とした。教科書協会のホームページ上では、「学習活動の重点化等に資する年間指導計画参考資料」として教科書の実際のページごとに、授業以外で扱える学習活動を示すなどしている。
総合的な学習の時間に関しては、一部を社会教育施設での活動に代えることができるとした2019(平成31)年3月の通知を改めて紹介。学校の授業では、「課題の設定」などに重点化するという考え方を示している。
学校運営に関する通知で示した年間計画の例は中学校3年生に関するもの。5月末まで臨時休業とした想定で、6月は生徒をグループに分けた分散登校から始め、第4週から通常授業に移る。夏休みは短縮し、9月から土曜授業を導入。修学旅行は10月か3月に行うとした。
学習内容に関する通知の表題は「学校の授業における学習活動の重点化に係る留意事項等について」、学校運営に関する通知の表題は「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン及び新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の『学びの保障』総合対策パッケージについて」。
5日の定例記者会見で萩生田光一文科相は、授業外で扱えるとした学習内容について「一斉の授業以外の場で、学習指導員などを活用しながら、学校として個別の指導を行うことをイメージしている」などと話した。
この日の会見によると、授業外で扱える内容を明確化したことの趣旨として、この通知に先立って、教育委員会、学校に学習内容の精選を求めてきたことを踏まえて、現場に全て委ねることは負担が大きいことを挙げた。