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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第69回】

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本の力を取り入れたい

 「潰れる」「潰す」「潰さない」の選択に心身が疲弊している人々が日に日に増えている。こうした中で生活する子ども達が多く存在する。
 資金繰りから来るストレスで、殺伐とした中で育つ子どもの心理は、脳にも確実に傷を残すことになるだろう。その傷を癒すには「笑顔」と「受容」しかないように私には思える。

 勉強の苦手な子どもは更に苦手になっていくだろう。本の力を取り入れられたら素晴らしい。
 ネットを使った読み物シリーズがある。何かをしながら耳だけは傾ける事は出来る。私達の生活で目からの情報と耳からの情報はどちらが多いか。聞きたいと思うとその声だけが聴こえてくる。
 多くの情報を耳で聞き分ける事を私は薦めたい。それは本質に近いものと感じられるからだ。

 「潰れる」の危機感と、「潰す」の諦めと、「潰さない」の忍耐は、一概には決められないが、その苦渋の選択が日本や世界の至るところで悲鳴になって聴こえてくる。試練の中で、もがきながらも命を繋ぐ大人の様が、子ども達の教科書となる日が来る。
 気になる子どもには何度も連絡して、励まして、痩せ我慢せずに、弱音も聴こう。言おう!愚痴もこぼそう!そして共に前に進もう!

 初任の頃、借金取りに追われてかくまって逃がしたAの後ろ姿を私は今も思い出す。その時に一冊の本を手渡したのであった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」