日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

生徒指導~小学校段階での考え方~【第191回】

NEWS

子どもをばかにしてはならぬ

 職員室で子どもをバカにする教師の会話が始まると、学校は一挙に崩壊し始める。「こんなにやってやってるのに。親もひどいのよ。何度言っても持ってこないから。呆れてものが言えない」などの会話は、安易に共感はしやすいが、後味はよくない。ましてベテランが話すと若手は複雑になる。人だから、ぼやきもあってもいいが、ユーモアや笑いで納める知恵が欲しいものである。

 「席をお年寄りに譲ってあげた。気持ちがよかった」と、子どもが話したら、どう指導するか。「良いことをしたわね」で終わらせては生徒指導とは言えない。
 お年寄りに「ありがとう、大丈夫よ」と断られたらどうしたのか。そして、どう思ったのか。更にそれって「あげる」事なの?と、本質へと食い込まねば指導と言えない。

 指導は、うわべの言葉や行動を教えることではSDGs(持続可能な開発目標)とはならない。ある意味、不都合な事が起きたときの対応が本性となって浮き出る。
 近年の事件を振り返ると、4年生の子どもがターゲットにされやすい。自我が出来る為に自己主張が始まる時期でもある。口答えは、成長の過程であるのに、腹をたてて自分を省みずに文句を言うようでは、自ら職を辞すべきと観念した方がよい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~