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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第64回】

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病魔に負けず

 報道すべてがコロナ一色になっている。語呂合わせも渦中となると上手いとは言えない。コロナを「567」として、次の「8」は開く、「9」は苦しいとするのではなく、一刻も早く「嬉し9、楽し9、優し9」としたいものだ。
 それ以外の病気で生死をかけている方も同時に存在している。「先生、私は負けないよ。気合いを入れて乳癌の手術に向かいます」と、その事を遠路から私のもとに伝えに来られたOさん。さらに「人の心の乱れが災いとなっている気がします。いい気になっている人類への警鐘ですね」と、振り返り様に精一杯の笑顔を見せられた。

 高齢にも関わらず人のために平和のために感謝の行動を絶やさずに東奔西走され、私のもとにも多くの友人を連れて来られた。人は、いざとなった時、会いたい人、会わねばならない人がいる。
 そのひとりとして選んで頂けたことに心から感謝すると共に、それに足り得るかと自戒した。その出会いは数年前、私が講話をした会場に居られて講話後に言葉を交わした事からである。一期一会の事に始まる。

 会食をし、思いの丈をお聞きした。別れ際に、「先生、私はね。手術が終わったら、もっともっと強くなって帰って来ますからね。やらねばならない事がまだ沢山あるんです」と、眼光鋭く話された。手術の成功と再会を誓って握手を交わし見送った。その気迫に病魔も必ずや退散するに違いない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」