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WHYとHOWでよくわかる! 不登校 困った時の対応術40

14面記事

書評

千葉 孝司 著
場面ごとに良い例・悪い例示す

 学級に不登校の子どもがいると、担任の先生は、この子のために何とかしたいと懸命になる。励ましの言葉を掛けたり、家庭訪問を工夫したり…さまざまに対応するが、なかなか良い結果に結び付かないこともある。こうした教師の戸惑いや焦りを受け止め、対応の専門性を広げる貴重な本が出版された。
 著者は、不登校の対応を、「休み始めの心を安定させる時期」「心のエネルギーを充電させる時期」「再登校に挑戦する時期」の三つに分けて考えている。公立中学校での豊富な経験を基に、各場面における多様な場合の対応術を、総計40取り上げている。
 各4ページずつで、最初の2ページは、状況の詳細と「WHY解決へのファーストステップ」「HOW対応のポイント」を解説している。
 後の2ページは、「ここが分かれ道!BAD・GOOD対応」である。同じ事例について、教師と生徒等のやりとりを、比較して提示している。これが非常に分かりやすく参考になる。
 BADの例も決して悪くはなく、ごく一般的なやりとりであると思うが、次のGOODの例を読むと、その奥の深さに圧倒される。なるほど、このような教師の言動によって生徒は前向きになるのだと納得できる。
 具体的で学校現場に即した内容である。校内研修でも大いに活用したい。
(2200円 明治図書出版)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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