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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第38回】

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教育職の給与と手当

 2月に辞めると退職金が高くなり、3月まで勤めると退職金が数百万安くなると県教委から伝えられたことがある。すなわち年度途中に、卒業式を前にして辞めたら退職金が高く、やり遂げたら安くなるという理不尽な事であった。
 そうした中で辞めていった方もいたらしいが、辞められない事を利用した愚策が平然と実施されたがニュースにもならなかった。

 また、学校から県行政へ出ると給与がかなり下がる。県から学校へ戻っても差額は補填されない。こうした現実が未だに続いている。
 指導をする側が、指導をされる側より給与が安くされている事実はあまり知られていない。

 生徒指導主任には、僅かながらの手当が出る。困難校では見回りやパトロールなど他の先生が事務処理をしている時に行う為、どうしても事務等が遅れる。
 気の利く学年主任は当然のように仕事を買って出る。しかし、気配りの出来るこうした教師は早期退職する傾向にある。今こそ、頑張った人が報われる働き方改革をしなければ、若者の意欲は衰退する。
 学校からは変えられない。それは行政、政治がすべきことである。教育は目的であって手段ではない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」