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小学校新学習指導要領 社会科の授業デザイン図

18面記事

書評

単元構想が1枚で隈なくわかる
社会科授業デザイン研究会 著
教材研究、指導案作りを効率よく

 よくぞまあ、小学校社会科の指導内容をこれだけのページにコンパクトにまとめたものだ。まさに脱帽! である。本書を手にした時「単元構想が1枚で隈なくわかる」との副題にもいささかの疑念を持ったが、杞憂であった。加えて言うなら、書名にいうデザインとは教材研究のことを指すのだが、本書の構成を見る限り、デザインというしゃれた言葉がぴったりする。
 本書の構成は各学年別の年間指導計画、各単元の具体像、そして、各時間の展開例となっている。第5学年を例に紹介しよう。
 まず、年間指導計画である。100時間分が全て示される。これは便利だ。全体像が俯瞰できる。
 次に、各単元の具体像だ。例えば、「高い土地の暮らし」では、子どもの思考過程に沿って6時間分の指導内容が時間ごとに提示される。加えて、次ページに「低い土地の暮らし」も載せられている。取り上げる地域性を考慮し選択できるようにしている。
 最後に各時間の展開例だ。つかむ、調べ考える、まとめるといったオーソドックスな形であるが、示される事例はそれぞれの段階をうまく分けて取り上げている。利便性を考えてのことだろう。
 文字通り中身の濃い一冊、今春から始まる新教育課程の強い味方になるに違いない。
(2200円 明治図書出版)
(八木 雅之・元公立小学校校長)

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