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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第19回】

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論説・コラム

子ども食堂と関わって

 子ども食堂に関わって数年が経つ。中には偽善や利益、売名でやっている下世話な輩もいる。担当者は一刻も早く子ども食堂がなくなってほしいと願いながら関わっている事実を教師は知っているだろうか。
 スタートした頃、行政も学校も煙たく感じていたことがひしひしと感じられた。学校側から地域の側になってみるとその閉塞感は想像を越えて感じられる。

 家庭環境が子ども達に与える影響は、学校から外に出て関わらないと見えては来ない。
 暮れも押し迫った夜にスタッフが子ども食堂で打合せをしていると、ドアのベルが鳴った。「こんばんは、すいません」と子ども食堂にいつも来る明るい姉妹がやって来た。「お米少しもらえませんか」と、目を合わせられずに小声で言った。
 これが現実である。学校では見えない。

 子ども達が帰った後、スタッフが憤って言った。「酷いよな。あれ母親に言われて来てるんだよ。ギャンブルに使う金はあっても子どもに食べさせる米は買わないんだよな」と。事情を詳しくは知らないが、どうしようもない虚しさが残った。
 最近、行政や政治も動き始めた。学校も変な顔をしなくなった。いつも子どもが犠牲にされ、後手後手になるのは何故なのか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」