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生徒指導~小学校段階での考え方~【第143回】

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「愛」を教える大切さ

 人を「愛する」とは。人から「愛される」とは。こうした、人の基本が学校でも家庭でも社会でも教えられていない。性教育と平行して教えてもよいものだが、されてはいない。
 本来ならば家庭の単位で行われていたのかもしれないが、愛を知り、伝えるという行為は、ほとんどの場合、音楽や映画やドラマ、そして書籍類や宗教からであろう。
 しかし、そこには偏ったものもあり、決めつけもある。人の基本を教えられていない親に育てられた子が、また親になり、人として欠かせない愛情を理解もできず、感じられず、教えることも出来ない世の中になってはいないだろうか。人としての基本も生徒指導の内容として教え導く必要があると私は思っている。

 「感謝」という心も自然に理解出来ると思われているが、そうではない思考をする学生に出会うことがたまにある。「感じない」とか、「分からない」と受け止めているようだ。こうした非認知能力の類いこそ、教えねばならない事ではないだろうか。
 人の根となり、幹となるものを作らずして、枝ばかり繁らせても、青年を歪に育て自殺者、犯罪者、被害者を増やす結果になっていると私には感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~