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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第15回】

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論説・コラム

新型コロナウイルス対策を教材に

 グローバル教育の根幹は何か、と問われてあなたはどう答えるか。現在進行中の新型コロナウイルス対策は、教材にして考え、議論させる事で生きた学びになる。私の大学での授業は、常にタイムリーな事象をそれぞれの講座のねらいから切り込んでいく。
 そこで足りなさを自覚させ、教えるべきこと、考えさせること、論議させることを把握して講義をするようにしている。

 この手法は、かなりの実践と思考と知識を蓄えておかないと出来ない為に、日常の行動が勝負になる。周りからは、「忙しいでしょう」と言われるが、そう思う事はほとんどない。
 ただし、何のためにやっているのか、動いているのか、利他の動きか、私利の動きかと問うようにはしている。感染の危険がある人を受け入れるか、その家族はどうするか、その費用は、と判断が迫られる時に、人の本性が露になる。

 人道や人権、道徳や倫理を実践に照らして行動に移すには、私利を捨てねばならないし、非難を承知で行動せねばならない。目先の利を考えては後々の悔いとなる。こうした切実にして緊迫した、答えの出ない課題こそがグローバル?アイの視点なのである。この現実を教材にできずに、ただ傍観させているような教師は、学校現場には不向きである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」