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生徒指導~小学校段階での考え方~【第142回】

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感性と資質を磨きたい

 情操教育の極みが芸術であるとするなら、今回の音大付属校での、刃物による生徒同士の事件はインパクトが強い。
 最近の事件の凶器は刃物がほとんどである。手に入れやすく殺傷力もあるからだろうか。凶器の使用や扱い方には、ゲームの影響と合わせて、メディア報道があるように感じられてならない。テレビドラマにも、この類いの事件がよく出てくる。

 こうした事件は連鎖を呼びやすい。だが、起きたとしても暗黙のうちにというか、何故か報道がされない。それは遺族などの依頼による場合が多いと聞く。
 鉄道事故は日本の至るところで起きているが、その詳細については報道されない。紙面にしたらすべてその関連記事で埋まるだろう。人の死は同じでも俗にいう「ニュース性」がないと扱われない現実がある。

 事件・事故には、必ず予兆がある。それを見て見ぬふりをする人がいる。あるいは、感度が低くて読み取れない人がいる。
 いじめや衝突が起こったり、仲間うちで折り合いがつかなかったりした場合にどうするかという学びの訓練は、小学校高学年辺りから始められているが、明らかに遅い。
 1年生からの生徒指導と絡ませてしっかりと積み上げるべきであり、読み書きよりも重要視されなければならない。
 日本の教育は「後手」が多すぎる。要因は、これらを決める教員の感性と資質にあると思えてならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~