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学校でできる!性の問題行動へのケア

18面記事

書評

子どものワーク&支援者のためのツール
宮口 幸治 編著
國分 聡子・伊庭 千惠・川上 ちひろ 著
性被害防ぐ子ども用ワークシートも

 わいせつ行為などにより懲戒処分などを受けた教職員は、282人(0・03%)で、前年度210人(0・02%)から増加(文科省、平成30年度公立学校教職員の人事行政状況調査)などのデータに接すると、本書の必要性も納得できる。なにしろ第1章に収める「子ども用ワークシート」は、性被害に遭わないために「いま、気をつけること」を場面ごとに学べるようになっているのだ。
 下校中の女子児童を自宅に誘い、おやつでおもてなしをしながら、体を触ってくるおじさん、声を掛け車に乗せようとするお兄さん…など、さまざまな場面を提示して、おじさんやお兄さんの目的を考えさせ、場面に応じて先生がどんなアドバイスをすればよいかを示し、今後、児童がどんな行動を取ればよいかを、見開き2ページで掲載していく。
 薬物乱用防止教育同様、性犯罪や性の問題行動に対する予防教育を位置付けてはどうかというのが、本書刊行の狙いである。
 性の問題行動の背景から、性が問題になる子どもの支援、発達障害・知的障害のある子どもへの性の支援などを第2章で解説。成長の過程で起こりがちな性にまつわる言動への対応をQ&Aで示した第3章。第4章にはすぐに使える性教育・性コミュニケーションツールなどを紹介する。
 性被害、性の問題行動への対応は、性教育の現代的な課題といえるのかもしれない。
(2200円 東洋館出版社)
(徳)

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