大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第12回】
NEWS男性が育児休暇
男性の育児休暇について、その取得を奨励しつつも取りにくい実態の矛盾が我が国には根強く存在する。
代役の立てられない場合は新たな人員確保になるし、補佐役も時期をかねて取得をした場合、下へ下へと仕事や権限が降りてくる。それでも権利として公平に取得が出来る体制を整えるには、すなわち「働き方」や「仕事のあり方」を見直す必要がある。
学校は基本、人員の余裕がない。すなわちギリギリでやっているからである。休めば、誰かがその分を被ることになる。
学校の都合を優先し、自分の年齢や経済などを後回しにして出産を我慢するという教師も多く存在していたし、している。職場に迷惑をかけない範囲でと考えるわけである。
休んでも負担感のないシステムが出来なければならない。そこにメスを入れる働き方改革であるべきだ。
ところで年休の取得率はどの校種が高いかをご存知だろうか。勤務や人員の実態からして、特別支援学校がダントツで、中学校が最下位になるだろう。この傾向は何十年と変わらない大きな不均衡である。
この取得率を平均化して、校長や副校長を筆頭に9割以上取得する、させる目標申告を作り実行する必要がある。それだけで働き方改革は実を得る。本質を変えない限り何も変わらない。パフォーマンスをしている時ではない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)