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生徒指導~小学校段階での考え方~【第132回】

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授業で幸せを感じさせる

 学校生活の大半は授業である。その授業の中で生徒指導をどこまで徹底出来るかがポイントになる。しかし、授業ルールが曖昧な事が多い。
 初任の頃、教頭先生が子ども達から「先生」と呼ばれないので、しっかりと呼ぶように児童へ指導して下さい、と話された。自分の不甲斐なさを棚に上げてのことであった。どう説明しようかと正直戸惑った。

 ふと、頭に過ったのは、自分が子どもだったら、「先生」と呼びたい先生もいるが、出来れば呼びたくない先生もいるだろうと素直に思えた。低学年では敬語として教えなければ分からないだろうが、中学年以上は教師の人柄や力量は感じられるので、指導を加えなくとも自ずと使える段階である。それを使えないのか、使わないのか、使いたくないのか。この本質の改善を試みない限りメッキにしか過ぎない。

 授業中の生徒指導とは何かを、学級、学年そして全校でしっかりと決め、丁寧に誠実に行っている学校は少ない。また細かく決めすぎて余計に曖昧になり、絵に描いた餅になっている学校もある。ハードルは低い方がよい。
 ある市は、板書、発問、ノートのみを徹底した。その場しのぎのワークシートや意味のない話し合いは教師の非力さを誤魔化すだけで、相互に不幸な時間になる。授業で幸せを感じさせるのが教師の実力である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~