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生徒指導~小学校段階での考え方~【第124回】

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「ルーズでわがまま」な学生と向き合う

 大学教員が学生に刺される事件が起きた。ある意味、こうしたことも起きるだろうと思う。詳しい内容ははっきりしないが、相互に問題をはらんでいるように思われる。
 レポートの件で揉めたとされているが、約束どおりに出来るならばよいが、ルーズだったり、バイトや学友会活動に追われている学生は少なくない。

 時に厳しくルールを教えることも必要ではあるが、それが出来る状況であるかを見据えて対応しないと、意図が伝わらずに、感情ばかりが激昂してしまう。懐に入れてからなら厳しさも伝わるが、事務的や威圧的にやると反感しか残らないものである。

 以前、ろうあ者の学生とじっくりと面談をした。周りはルーズでわがままと決めつけていたが、私はそうは見なかった。
 本人に今の自分の課題を書かせてみた。敢えて手話通訳は入れずに筆談で行った。本人は自己の課題を十分に自覚していた。メールは時間を決めて見るようにしたらと、私の自己管理のやり方を紹介した。幾つかのやり取りをしたメモを大切そうに持ち帰った。
 これで変わるとは思わない。何度でも最初からやり直せばよい。こちらの度量が試されていると受け止めれば、実にありがたい存在になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~