生徒指導~小学校段階での考え方~【第123回】
NEWS卒業式と「プロの仕上げ」
1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」と称するように、あっという間に気づくと卒業式を迎える。ここで比較して欲しいのは、その時期である。公立や私立、市町村や学校種により、または、学校により異なるのである。どうして差が出るのか。
確かに学習進度はそれぞれの事情で異なる。だから卒業式の時期が前後するというのであれば納得が行くが、以下のことは慢心怠慢の極みとして未だに忘れられない。
ある中学校の校長が「早く卒業させた方が面倒じゃないからね。責任もなくなるし」と、発言した。本音を話したのかも知れないが、識見や人格を疑った。卒業させたからといって責任がなくなるものではない。ある意味、一生とも言える。
義務教育を終えることは、様々な旅立ちとなる。言わば最後の仕上げになるわけだから、教師として立派に仕上げなければならない。
卒業生が学校の評価を決める。あれもこれもやりきれていないが、このままでは子どもにも親にも申し訳ないと私は思って、この時を何度も迎えてきた。
厄介者を追い払って早々と旅行へ行くことを優先する教師は、普段からそうした思考が根底にあるため、肝心なところでミスが出る。プロの仕上げは、誰が見ても、どこから見ても美しい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)