大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第4回】
NEWS若者を元気に
県議会の代表質問をライブ中継で見た。元教員で県議の質問は、群を抜いていた。すべて自分の目や足で事実をつかみ、当事者の声を代弁する質問に気迫と配慮と信念を感じた。
彼は元同僚である。なりたくて県議になった人物ではなく、教師を続けたかったと今も心に持っている人物である。その誠実で真摯な語り口が議場を凛としたものにしているように感じられた。
当初は、「教師上がり」と素人扱いされたことや様々なあつれきに苦しんでいる様子が見てとれたが、今回の堂々たる代表質問の姿は、見違える人物となっていた。
それに引き換え、失態を認めながらもボーナスや給与を一部返納するから許してと言い逃れする知事の姑息さが浮き上がっていた。答弁も原稿を棒読みし、大根役者そのもので失笑してしまった。これを見破れなかった支援者の後悔は計り知れない。
このところ目につくのは、不祥事や不適切な犯罪紛いの事をしても、のうのうとその職に居座り、膨大な税金を得続ける姿だ。こうした事実を教師が語り、同じ轍を踏まないことはもちろん、職務怠慢を追及できる若者を育てることが、主権者教育の意義であり使命である。
学級会よりレベルの低い会議をする国を若者が本気で変えねばならない。このままでは不信不安が個々を分断し諦めの崩壊が訪れてしまう。だからこそ、若者を本気にする授業を今日も全力で私は仕掛ける。
(おおくぼ・としき 亜細亜大学特任教授。千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)