大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第2回】
NEWS借金取り立ての電話が入った
「爆弾を仕掛けることも出来るぞ」と、職員のきょうだいが借りた金の取り立てに業者から電話が入った。
「子どももいるし気を付けろよ」と、脅されたのである。早速、警察に連絡をして本人も立ち会って事情を確かめたが、兄とは疎遠にしているらしく連絡が取れない。借りたときの保証人に妹の名前と勤務先を書かれたことが推測できた。
明日の児童登校に際して、パトカー数台の巡回と施設や植え込みの捜査を行った。ここで保護者にどのようにメールを配信するかである。
定かでない情報をどう判断すべきか警察とPTA役員等と協議をして、万が一に備え「不審者が学校の回りに出たとの情報がありました。詳しい特徴は分かりませんが念のため登校の際は、見えなくなるまでしっかりと見送り、登校班で来るようにして下さい。なお、教師もポイントに立っておりますので、保護者の方も手分けして校門までお送り願います」とした。
すると、後日、保護者から「もっと具体的に書いてもらいたい」との要望が数件届いた。もちろんこうした反応は想定していたが、配信文書の内容の難しさを痛感した。
仮に、事実を配信したらどうなっていただろうかと考えた。既警察は容疑者を特定していた。近隣にも同様の連絡があったようだが、こうした動きまでを想定した体制は取らなかった。周りがどうであろうと、常に最悪を想定する姿勢を変えてはならない。
(おおくぼ・としき 亜細亜大学特任教授。千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)