生徒指導~小学校段階での考え方~【第105回】
NEWS20年先を考えて児童と接する
生徒指導は、最低でも、概ね20年くらいのスパンで見ることが必要である。20年先にどうなっているかを考えて、眼前の指導をする必要がある。
対症療法で、もぐら叩きのようなことをしていても根本は解決はしない。
子育ても仕事も、20年くらいのスパンが欲しい。なぜなら10歳の子どもが30歳になり、子どもから、成熟して大人に変わるからである。このような変化を私は小学生の担任として継続的に見てきた。
激励のために年に数十枚の葉書を出してきた。気になる子どもの住所や宛名は既に書いておき、カバンに入れて持ち歩く。ふとしたときに「元気にしていますか。家族の皆さんも元気にしていますか」とわずか数行を書いて投函するようにしてきた。
これは、気になる子どもをそのままにできないという自分の気持ちから続けている行動であり、40年が過ぎようとしている。当時の5、6年生が50代を越える。どの子が一番幸せな人生なのだろうと見つめ直すと、それぞれに意味のある人生を歩んで来てはいるものの、性分は変わらず、誠実性や虚偽の基底を持つ者はその結果の人生を生きているようであった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)