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生徒指導~小学校段階での考え方~【第87回】

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担当教員の位置づけを考える

 小学校において生徒指導担当は若い男性になりやすい。なぜか。年配の先生や女性の先生にというイメージがないからであろう。特に校外補導などの職務もあるため、女性には危険と考えるのかもしれない。
 しかし、このイメージが固定化されてしまうと、若い男性には高学年担任、部活顧問、体育主任、生徒指導主任など多くの仕事が重なってくる。やがて丁寧さに欠け誠実さも失ってしまう危険がある。

 教員2年目の時、6年生の担任を務め、部活はサッカー、陸上、水泳を担当し、さらに体育主任、理科主任、研究副主任、教育実習生受持ちをやった。校外でも体連の専門部長や審判長、保健委員会委員など両手いっぱいの役が回ってきた。
 プライベートもあり、調整ができずにダブルブッキングとなったことや、プール冠水への対応のために、車の中に泊まることもあった。そして翌日研究授業をするという過密スケジュールを思い出す。すなわちすべてが中途半端だったのである。

 自省を含め、生徒指導担当としての職務とは何か、また、本来の機能を発揮させるには、校内での位置付けをどこにするか今一度見直す必要を感じていた。
 生活目標を決め、徹底させ、課題を解決し、次期の課題へとつなげていく。教科を束ねるのが教務主任とすれば、生活指導を束ね校内外へと影響を及ぼすのが生徒指導主任であり、まさに学校の両輪として学校教育目標に迫るためにあると強く意識をした。そうでないと単なる分掌のひとつになってしまうからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~