生徒指導~小学校段階での考え方~【第78回】
教師の「耐性」を育てる
一連の中堅教師の「度を越えたからかい」や「明らかな暴言暴力」とメディアは騒いでいるが、意図のある報道に振り回されず、学校現場は冷静でなければならない。
ここまで書かれると「記事にしたい、金にしたい」という嫌らしさが一部メディアに感じられて仕方がない。親しき仲にも礼儀あり、先輩後輩と言えども節操が求められる。いかなる場でも悪乗りは言い訳にはならない。
反面、多少のことは気にしないという耐性が育っていないようにも感じ取れる。理想を抱き、純粋に求めても、手強い児童や親や同僚や先輩はどこにでもいるものである。
この環境を良しとはしないで、「やがて自分が変えてやる」と捉えて前に出るように私は授業の折々にメンタルを鍛えている。これは体験を交えて、切実に、真剣に、意図的にやらねば真意が伝わらないし効果は出ない。
数カ月もすると、目付きも態度も確実に変わり始める。指摘せずとも発言も服装も変わるから嬉しい。こうして多くの学生や講師や教師を育成または再訓練したことが、打たれ強く、柔軟で芯のある教師を輩出出来ていることが実感できる。
これには一人の例外もないから驚く。本来ならばこの芯を作るのが知識よりも増して重要なのに、なぜそれをやらないのか、やれないのか歯がゆくて仕方ない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)