生徒指導~小学校段階での考え方~【第76回】
NEWS地域に出向いて「外交戦」
地域パトロールや祭りの関係で地域に出向くことがある。その時は、マイクを貸してもらって短めにあいさつをさせていただくとよい。それは絶好の外交戦の機会だからだ。
一声で注目させる話術を披露して、参加者に学校への理解を広げられるチャンスなのである。それは歯切れよく、儀礼は程々にあくまで子どもたちをターゲットに据えて伝えることが大切である。
この話にインパクトがあれば、地域も親も一挙に理解者、応援団に変えてしまうことができる。日頃、学校で重ねている生徒指導や生活指導の成果が試される時とも言えるのである。
もちろん、満面の笑顔で様子を観るものの、児童への声掛けは漏らさないようにする。すなわち客ではなく、普段の指導がどう生きているかを第一義にせねばならない。
こうした外交は生徒指導には欠かせない。しかし、これを苦手にしている管理職は少なくない。
目立たぬように育てられたとも言える。
私は現在、年に500以上の企業家を相手に経営者としての成長のための講話を依頼されている。最近は若手育成のために「本当に優秀な人の育て方」がテーマである。企業界も教育界も求める人材の資質は同じなのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)