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生徒指導~小学校段階での考え方~【第45回】

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判断力(1)

 判断力について、受信機と発信機とに分けて説明したい。いかんともし難いのは感度の差である。本能というか、環境というか、試練というか、ともかくこの差は訓練してもある域までしか改善できない感がある。この非認知能力を見極めないと適材適所は出来ない。子どもからの発信が受け止められない受信機は、修理か買い替えが必要になる。
 以下に私が意図的意識的に自己に訓練している内容を列挙するが、結果として第6感までも鍛えることになる。

 ・自己管理
 ・周辺観察
 ・他者観察
 ・表情観察
 ・服装観察
 ・行動観察
 ・言語観察
 ・環境観察
 ・心情観察
 ・予測訓練
 ・予知訓練

 等である。

 朝の観察では、以下のような視点で見ている。
 (1)表情 髪の毛 目付き 目脂 服装 声 歩き方 持ち物 食欲 口臭 
 (2)姿勢 言葉への反応 集中力 忘れ物 友達 落ち着き
 (3)授業中 ノート 鉛筆 話し合い 意欲
 (4)休み時間 友達との繋がり トイレ
 (5)放課後 すぐ帰るか、帰りたくないか
 (6)帰宅後 誰と何で遊ぶか、塾通い、習い事

 さらに登下校や校舎周辺、校庭、遊具、清掃道具、玄関、下駄箱、傘入れと目に入るものすべての異変に気付く訓練をしている。もちろん、行き交う先生方の外見や内面の変化も見過ごさない。
 こうした感性は、疲労や多忙が重なると鈍る。すなわち疲労や多忙を招かない自己管理が必要であり、鈍り始めたときは自己修正を図る工夫をしなくてはならない。この自覚が早くなければ判断ミスにつながる。よって、一番疲労するのは目である。このような訓練の第一歩は、先手のあいさつにある。その反応から始めるとよい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~