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生徒指導~小学校段階での考え方~【第44回】

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浸透度が表出する場面とは

 わずか数分で全身をほぐせる体操を授業の中に組み込んでいる学校は少ない。指先まで丁寧にやると汗をかく。夏休みに地域では、子ども達が集い、元気な声が聴こえてくる。
 「知徳体」の目標を掲げている小学校は多い。生徒指導はそのどの目標の具現化にも深く関わっている。
 規律や危険を伴う場面をはじめ、集団のルールを学び、喜びを感じる体育では日常の生徒指導の浸透度が表出する。
 例えば、運動会の予行練習は1時間のみとしたら、他はすべて授業の中でやらねばならないことになる。できないとなると日常授業に組み入れての工夫が始まる。
 1時間のみの練習で卒業式を迎えたことがある。緊張感も重なり、例年にも増して厳かであった。
 このような、決められた条件のなかでの工夫はできる。たかがラジオ体操だが、奥は深い。
 ごまかしの効かない見える姿や行動は、100の能書きよりも確かなものである。その一人一人の姿のなかに、自校の教育目標の具体としての姿が映し出される。その時の児童の生き生きと胸をはり声を揃える姿こそ、紛れもない成果である。あるいは、そうした場面で課題が一挙に表出する。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~