生徒指導~小学校段階での考え方~【第40回】
NEWS管理職不足
どの学校にも40歳代の教員が不足している。児童生徒数によって教員の数が決まる「義務標準法」の制約があるからだ。
今の40代を採用した20年前の話題は、全員が管理職になっても、管理職候補者が足りないのではないかということだった。この基準で選考して20年後に振り返ったとき、後悔するのではないかと財政担当部局に食い下がったことを思い出す。
案の定、東京をはじめ管理職が不足し、再任用校長や副校長も欠員や降格願いがなくならない。それはその職に魅力がなくなってしまったからである。また、給与や退職金等では、さほど変わりはないからである。以前、65歳までの死亡報償を担当したことがあり、校長経験者の逝去率が他と比較して高かったことを知った。
命を削ってでも大任を引き受けるであろうか。
訴訟社会になりつつある。その対応のために保険に入ると共に、校長は自分が去った後も持続可能となるように、校内外に理解者・支援者を日々作れないかと考える習慣と行動を持たねば宿命に翻弄されてしまう。
校長の力量は判断力に尽きる。それは生徒指導の場面において一番ハッキリと見える。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)