インターネット時代で広がる「記念品」選びの魅力
14面記事マイクロプラスチック問題など、環境を意識した記念品選びも1つのアイデアだ
記念品選びの注意点とは
卒業記念品を担当する先生にとっては、秋の訪れとともに頭を悩ますことになるのが、どんな記念品を選ぶのかということ。結局、悩んだあげく、失敗するのも恥ずかしいので去年と同じような商品を選んでしまったという方も多いのではないだろうか。
卒業生に贈るノベルティで現在人気になっているのは、小学生向けでは文具・ステーショナリーやマグボトルで、中学生向けでは電波時計やフォトフレームなどになる。また、高校生向けになると、社会人には必需品になる印鑑セットや袱紗(ふくさ)、モバイルバッテリーのような実用品が選ばれることが多いようだ。
そんな記念品を選ぶとき、まず気をつけなければならないのが数量になる。特に学校名や卒業年度などの名入れ印刷を頼む場合は、ロットが少なくなれば単価が上がってしまうため、生徒数が多かった昔に比べて満足いく商品が選べなくなることが多いからだ。こうした生徒数の減少によるコストアップは、卒業アルバムの制作にも影響を及ぼしているほど。
では、名入れをあきらめたらどうかという声もあるが、学校が記念品として贈呈する以上そうはいかず、思い出に残る品と考えると有難みもなくなる心配もある。だからこそ、小ロットのノベルティ制作に特化したショップを利用するなど、工夫と知恵が必要になる。
名入れ印刷で気をつけること
名入れ印刷をするときにもう1つ気をつけたいのは、書体や色、配置の仕方などによってがらりと印象が変わってしまうことにある。これまでも「どうしてこんなにダサくなったのか」と首をかしげたくなる記念品を目にする機会が増えた。
したがって、注文する前には必ず印刷サンプルを見て参考にしたり、仕上がりについて相談したりして確認しておくことが望ましい。最近のネットショップでは事前に印刷イメージを確認できるところもあるため、「納品したのを見て失敗した」と思わないためにも事前のチェックは不可欠である。
加えて、たとえば「祝○○年度卒業」など形式的な名入れにこだわるよりも、校章だけをシンプルに入れたデザインの方がオシャレに見えるといった具合に、ちょっとした配慮が卒業生に喜ばれる記念品になることも覚えておきたい。
既成概念をふりはらって
また、近年問題になっている環境負荷に配慮した素材に注目するのも一考の余地がある。ノベルティの中には廃材や自然由来の素材を原料にしているものも多数あるほか、脱マイクロプラスチックを意識づけるマイボトルやエコバックなども時代に即したアイテムになるだろう。なお、こうした環境問題を重視する背景から、学校によっては品物ではなくふるさとの特産物を記念品として贈呈する動きも始まっているという。
そんなふうにカタチにこだわらずに探せば、インターネット時代の記念品選びの魅力はむしろ広がっていると考えることができる。何より、1人ひとりの自主性を育むことが求められているのが、現在の教育のあり方である。学校が既成概念にとらわれていたのでは子どもに示しがつかないという自覚をもって、記念品選びにもアイデアを捻りだしてほしい。