生徒指導~小学校段階での考え方~【第31回】
当たり前の習慣に人柄が現れる
生徒指導が効果を発揮するのは、憧れる先生や、「ああなりたい」と思っている先生から話され、納得ができる場面ではないだろうか。私は小学校の時に人生において最大限に感性が開花していると思えてならない。それは、大人の魅力と醜さを感じることでもあり、本能的に本質を見抜く時とも思える。
雨の日に廊下を走ってけがをする子どもは多い。この姿はこの時期の特徴でもある。その子たちに規律を守っているかと監視で関わるか、いかに楽しく皆で過ごすかに視点を置くかで言葉かけや接し方が変わる。形式的なあいさつで済まさずに心に届くような一言を添える工夫があると嬉しい。
ごくごく当たり前の小さな習慣に人柄は現れる。あれもこれもとせずに、靴をそろえる。あいさつをゆっくりして全員と目を会わせるなど、なにごとも丁寧に誠実に、ささいなことを無理なくやることである。生徒指導とはしょせんは人の振る舞いである。だから楽しそうな大人でありたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)