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生徒指導~小学校段階での考え方~【第29回】

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生徒指導主任の育て方

 小学校の生徒指導主任が高校となると生徒指導部長になる。分かりやすく言うと格が上がるのである。部長は準管理職扱いする事もあるが、主任は名ばかりとしている小学校は少なくない。小学校は日常、担任がその指導をするため、生徒指導主任は、月毎の生活目標や長期休み前の生徒指導、交通安全指導などで話すのが一般的となる。
 よって担任の温度差が出ることになり、効果が分からないし、問題の発見や対処が遅れることになってしまう。私は6学年主任で生徒指導主任だったYの空き時間を多く確保して、校内外の巡視や視点を示し、発言の機会を意図的に設けた。すなわち俯瞰させて全校への注意喚起をさせたのである。この配置が効をそうして問題案件が激減したことがあった。
 しかし、Yのような適材を育て、充てないと、職員のコンセンサスはできないし、空まわりになりかねない。その後、Yは若くして教務主任となったが、敢えてレールには乗らずに実践を積んでいる。
 振り返ると若い段階から役を与えて、意図的に育てることが重要で、役が人を育てると痛感する。伸びる若者を育てるには「お言葉ですが」と上司への反論や指摘をするよう促す必要がある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~