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生徒指導~小学校段階での考え方~【第21回】

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教科・指導

生徒指導と選挙

 家庭内で選挙を話題にしたことはないと話す大学生は多い。主権者教育を行っているが投票行動が活発になったとは感じられない。文部科学省の生徒指導提要は、生徒が自己実現に向けて、自らの目標を明確にし、その目標の達成に向けて自らを主体的に方向付けていくために求められる能力を求めている。世間が騒がしくなる選挙の時に、「やって見せる」ことは子どもにとって最高の教科書になる。
 児童に、「先生は誰に入れるの?」「どうしてその人を良いと思ったの?」と聞かれたらどう答えるか。中立の立場だから答えられないのか。それとも、「それはね」と話すか、話せるか。大人がこの関心なくして「自己実現に向けて、自らの目標を明確にし、その目標の達成に向けて自らを主体的に方向付けていくために求められる能力」をどのように実践的に育成するのだろうか。
 政治を志す人々は、自らのキャリアを披歴して期待させるが、かなり幼稚な言動や不祥事が吹き出て人格にも問題があることが分かる。支持者や家族を裏切る所業は許せないが、反面その人物を選んだ投票者も責任は問われる。
 あのヒトラーはドイツ人が選んだ。同じ轍は踏むまいとボイテルスバッハ・コンセンサスで知られるドイツの主権者教育は模擬ではない。そしてそれは幼い頃より親や兄弟の言動等から家庭で自然に育まれている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~