平和・命の尊さを学ぶ映像資料が充実
15面記事リニューアルした「戦史資料室」
知覧特攻平和会館
第二次世界大戦末期の沖縄戦で、敵艦に体当たり攻撃をした「特攻隊」。鹿児島県の知覧特攻平和会館は、この作戦で戦死した隊員達の遺品、関係資料を収集・展示する。今年4月から、児童生徒向けのプログラムや展示を充実させている。
まず「戦史資料室」をリニューアル。特攻基地があった町、知覧の人々が西南戦争から第二次世界大戦の間、戦争と関わらざるを得なかった歴史を郷土史や証言映像によって紹介する。児童生徒が自分たちの地域に戻ったとき、地元に残る戦争の記録ついて主体的に調べてほしいという願いが込められている。
同館が所蔵する証言映像などを簡潔に編集してタブレットで閲覧できる「映像閲覧システム」も導入した。戦争を体験した世代が少なくなる中、五感を使って学ぶことができる。
これらの新しい展示やシステムを活用すれば従来のプログラムはより豊かな体験となって児童生徒の印象に残りそうだ。地元知覧出身の語り部による講話は、単なる説明ではなく児童生徒への問いかけを行うことで、主体的に考えてもらうきっかけを作っている。
オリジナルポストカードに大切な人へ思いをしたためて送るプログラム「知覧からの手紙」も好評実施中だ。「聞く」「見る」という見学型の学習にプラスして「考える」「書く」発信型の体験をすることで、平和の大切さや命の尊さ、家族の絆など、会館での学びが一層深まるはずだ。
問い合わせ=知覧特攻平和会館 Tel0993・83・2525