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「N高」の第1期生が卒業、進路決定率8割超える

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 インターネットを活用した通信制の「N高校」(N高)で先月、第1期生が卒業した。全国の通信制高校で進路が未定のまま卒業する生徒の割合が高い中、進路決定率は8割を超えた。不登校の経験がある生徒も8割近くが進路を決めている。
 N高は、カドカワ(東京・中央区)が平成28年度に開校。先月20日には、開校以来初めてとなる卒業式を行った。同年4月に入学した第1期生と転編入学の生徒を合わせた約1600人が卒業した。
 初年度に入学し、3年間在籍した生徒の卒業率は74・0%となった。転学や退学した生徒を除いた場合には84・3%が卒業した。特に、1・2年次に必要な単位を取得して3年次を迎えた生徒の卒業率は96・7%に上っている。
 卒業生全体で、進路が決定した生徒の割合は81・8%。(1)専門学校他(36・2%)(2)就職者(26・8%)(3)大学(18・8%)(4)進路未定(16・8%)(5)不詳・死亡(1・4%)―の順となった。
 N高の進路決定率は、通信制全体と比べてもかなり高い。文科省が昨年度に実施した学校基本調査によると、通信制は61・5%にとどまっている。進路未定の生徒が最も多く、37・1%を占めた。
 不登校経験のある生徒の進路決定率も公表した。入学時のアンケートで「不登校を経験した」と回答した生徒312人のうち、77・1%が進路を決めて卒業。N高の評議員を務める夏野剛・ドワンゴ代表取締役社長は、先月27日の実績発表会で進路決定率について「不登校経験のある生徒もない生徒も、チャンスを用意すればあまり変わらない」と話した。
 4月4日には第4期生の入学式を迎える。入学者数は4千人を超える予定。同校によると、全国の高校の中で日本一となる見込みだという。

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