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現役・卒業生含め2423人に指導漏れ「科学と人間生活」

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府立高3校で

 大阪府教委は理科の科目の一つ「科学と人間生活」について、今宮、河南、東住吉高校3校で一部指導漏れがあったと発表した。指導を受けずに卒業していった生徒1238人と、在校生1185人の計2423人に指導漏れがあった。
 昨年11月に今宮高校で科目「科学と人間生活」の一部の分野で指導漏れの可能性があることを校長が把握し、調査を始めた。外部から府教委に同校の指導内容について問い合わせがあり、教育委員会が同校に調査を指示し、指導漏れがあることが判明した。
 このため、全府立高校に同様の内容について調査を指示し、河南高校、東住吉高校でも一部の指導漏れが明らかになった。
 その原因については「学習指導要領に示された内容の取扱いについて、教員の認識が不十分であり、教員に対する校長の指導も不十分」であることを指摘。一方で、すでに認めている履修や単位の取り消し、評価(成績)の変更は行わないこと▽在籍生徒のうち、現在履修している生徒については残りの授業時間内で、学ぶべき内容を指導すること▽すでに履修済みの生徒については、補習を行うこと▽卒業生に対しては、本件についての謝罪と説明の文書を送付する―などを今後の対応として示した。
 再発防止に向けては、全府立高校長・准校長に対し、校長会などにおいて今回の事案を周知し、同様の事案が起こらないよう教育委員会が注意喚起する、各学校で学習指導要領で取り扱うこととされている内容を指導できているか、定期的に各教科担当者から教務部等に報告するとともに、教務部などは校長へ報告するよう、校長から全教員に指示し、確認を行うなどとしている。
 「科学と人間生活」は教科「理科」での必修科目に位置付けられ、「科学技術の発展」「これからの科学と人間生活」の他、光と熱の化学(物理分野)、物質の科学(化学分野)、生命の科学(生物分野)、宇宙と地球の科学(地学分野)から、それぞれ指導内容を一つ選択して全分野について学ぶ必要がある。
 今回は物理・化学・生物・地学の分野から一つの分野のみの指導でとどめていたり、複数の分野を中心に指導していたものの、全ての分野を指導していなかったことが分かっている。

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