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未成年者飲酒防止教育学校コンクール 表彰式を開催

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審査員と受賞者

ビール酒造組合

 未成年者飲酒防止に関する小学校・中学校・高校・特別支援学校(学級)の取り組みを募集する「未成年者飲酒防止教育学校コンクール」(主催=ビール酒造組合)。2018年度の報賞が決定し、その表彰式が11月23日、東京都内で行われた。
 「未成年者飲酒防止教育学校コンクール」は、ビール酒造組合(高島英也会長代表理事(※高ははしごだか))が未成年者の飲酒防止問題に向き合い、未成年者飲酒が及ぼす健康への影響などの理解を促進する目的で開催するもの。2002年よりポスターとスローガンの募集を実施してきたが、啓発効果を高めるため2017年度より学校実践を募集する形式に刷新した。今年度は小・中・高校部門に加え、特別支援学校(学級)部門が加わり、幅広く実践事例の応募を呼びかけた。
 6月1日から9月28日までの応募期間に45点の応募があり、10月の審査委員会(東ちづる審査委員長)の審査を経て、各部門から合計13校の表彰が決定した。表彰式は11月23日、東京・中央区の野村コンファレンスプラザ日本橋で開催され、代表して最優秀賞3校に表彰状と副賞としてノートパソコンなどの機器が贈られた。

児童生徒の発想で共感を呼ぶ啓発に
 小学校部門最優秀賞の利根町立文小学校(茨城県)は養護教諭と児童保健委員会が中心となり安心・安全な学校づくりの一環として取り組んだ。応募支援ツールとして無料で貸し出し・提供される「飲酒状態体験ゴーグル」や「アルコールパッチテスト」を活用し、高学年が「視覚の歪み」や飲酒に対する自分の体質を知る体験をした。保健委員の児童もALTに海外のお酒事情をインタビューするなど事前の情報収集に励んだ。
 中学校部門最優秀賞の広島市立段原中学校では生徒保健委員会が文化祭で啓発のプレゼンを行った。教員に「お酒のいいところ」「お酒での失敗」などを質問したインタビュー動画を流すなど、身近な人とのかかわりの中で飲酒防止を考えさせるアイデアが評価された。
 高等学校部門の最優秀賞は栃木県立那須拓陽高校が受賞した。保健委員会で成人年齢が18歳に引き下げられることで「飲酒はどうなるのか」という疑問がわいたからだ。保健委員のメンバーは18歳では飲酒ができないことを学んだうえで、まんが部とコラボして独自の啓発リーフレットを作成。文化祭で配布し広く未成年者飲酒防止を呼び掛けた点が評価された。
 審査委委員長の東ちづる氏は「生徒が自分で考え、アイデアを出し、先生や家族、地域を巻き込んで広めている。生徒発信は大きな力がある。
 お酒はコミュニケーションが深まるツールでもある。20歳になったら上手に付き合ってほしい。今回の取り組みをほかの学校や家族、地域にも広めて」と講評した。

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