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学校に行きたくない君へ

22面記事

書評

全国不登校新聞社 編
20人の著名人が当事者と対談

 「不自由なまま、面白がっていく」という姿勢を、最後まで貫かれ、先日、惜しまれながら旅立たれた俳優の樹木希林さんの対談から始まる。その内容は直球で、素朴で、強烈である。そうした目からうろこの対談が続き、読後、これでよかったのかと猛省を余儀なくされた。
 不登校に対して、肯定でも、否定でもなく、全て受け止めるという姿勢は、簡単にできるものではない。なぜなら世間体の中で育てられた私どもだからである。その延長線上に教師という選択をした者も少なくないだろう。
 登場する面々は、自分次第だからと、困難や試練を楽しむ「しなやかさ」を自ら見いだし、ある意味、こだわって、開き直って、道を開き「自分らしく」を生き抜いてこられたように感じられる。もちろん、人とのつながりや運もあるだろう。その対談者に、元不登校の敏腕編集長が容赦なく本音をぶつけていくのだから、たまらない。回答も絶妙で、心にグイグイと入り込む。
 リリー・フランキーや宮本亜門など総勢20人、その生きざまを現代社会が求めている面々ばかり。コラムにも味がある。
 不登校は悪いこと、恥ずかしいことと信じている方は、読まれない方がよいかもしれない。なぜなら、既成概念が確実に揺らぐからである。
(1512円 ポプラ社)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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