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情報モラル教材を提供 小1~高3が対象

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 LINEは、書き込み式の情報モラル教材と教員向け指導書を作成し、先月下旬から無償提供を始めた。小学校1年生から高校3年生までが対象。インターネット上で公開している。
 この情報モラル教材は52ページ建て。ある場面を示して、児童・生徒にどう判断するか考えてもらう。場面設定は発達段階に応じて変えてある。「ゲームを返してくれない」「災害が発生した」などがある。
 教材は、「SNSノート(情報モラル編)」と名付けた。保護者向けのページも用意した。保護者会などでの利用を見込んでいる。
 同社が昨年度、東京都教委と共に開発した教材は、都内の全公立学校の児童・生徒に配布された。同社の教育活動を全国に広げたい考え。
 情報モラルについてLINEと研究を進めている静岡大学の塩田真吾准教授は「トラブル事例について教えて、怖がらせる指導が一般的だろうが、一時的な効果しか期待できない。反対に、児童・生徒は『自分は大丈夫』という見方をしてしまうかもしれない」と話す。
 LINEが東京都教委と共に開発した教材「SNS東京ノート」について、使用した教員の一部に聞いたところ、「授業で使いやすい」とする声が74%に上っているという。
 今年6~7月には、埼玉県戸田市の全公立小・中学校で同社の教材を使った授業が行われた。教員へのアンケートで、授業準備にかけた時間を調べると「15分以内」が15%。「30分以内」が50%だった。
 教材には、写真やLINEでのやりとりの例を示すカードを付けた。授業で使う際は、児童・生徒が話し合いながら、トラブルになりそうなものを選ぶ。危険性を各自で考えながら、ネットトラブルの当事者になり得る自覚を持たせることを狙う。

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